マンション管理組合の情報公開(2)
マンション管理組合の情報公開(1)で、中古マンションについて情報公開が重要ということを説明しました。
今回は、アクセスと立地に関する情報公開について説明します。
まず、情報公開するうえで大切なことは、これまで常識と思っていたことに囚われないことです。
たとえば、不動産のチラシで駅から徒歩5分と書かれていれば駅からの距離は400m、つまり80m/分で単純計算した時間です。
しかし、実際に80m/分で歩くでしょうか?
歩く速さの早い遅いもありますし、途中信号待ちで時間がかかるかもしれませんし、坂道かもしれません。
途中歩道橋や階段を上り下りしなければならないかもしれません。
つまり、80m/分で単純計算ではなく、駅まで実際にかかる時間のほうがいいに決まっているのです。
・駅までの間に信号が何か所あって最大どの程度かかるのか
・駅の自転車置き場の有無と料金、申し込み方法
・最寄りのバス停までの距離、時間、時刻表
これらの実際にかかる時間の情報が重要なのです。
次に、立地に関する情報です。
液状化の危険度、海抜、敷地の歴史などのデータはかなり重要です。 さらに、水害、地震、風害などこれまでの災害時に発生した実際の被害を公開することは新築マンションにはできない情報で管理組合がきちんと機能して情報を管理しているからこそ出せる情報です。
あまりにも災害に弱いのでは資産価値の評価としてはマイナスになりますが、過去の災害時にどの程度被害を受けてどのように対処したのかということは、重要な情報です。
特に1981年前後に建築されたマンションの場合、新耐震基準か旧耐震基準どちらの基準で建てられたのか、旧耐震基準の場合、耐震補強工事は実施済みなのかどうかも大切です。
駐車場についての情報公開も重要です。
駐車場が有る場合機械式なのか自走式なのかあるいは平置きなのか。
契約率は計画通りなのか?
駐車場の収入は、管理費と修繕費のどちらに組み込まれているのか?
機械式駐車場の場合のメンテナンス費と機械交換費用が長期修繕計画に計上されているか?
など駐車場問題があるかないかを公開する必要もあるのです。
特に機械式駐車場の場合は、重要な情報となります。
賃貸比率も重要です。
分譲マンションで区分所有者が自ら住んでいる場合は問題ないのですが、賃貸にされている場合もあります。
賃貸の比率が高い物件は、資産価値としては低くなる傾向がありますので、どの程度の割合で賃貸されているのかも情報公開すべきでしょう。
次回に続く