安否確認について

災害発生時の安否確認は、マンション管理組合の防災活動でなからず話題になります。

ただ、安否確認を行うことが決まっている場合でも「安否確認を行う」ということだけで、実際どのようにするのかをきちんと定めているマンションは意外と少ないと思います。

安否確認というと「安否を確認したら玄関ドアに安否確認シートを掲出する」というイメージですが、それだけ決めてもどうにもなりません。

まずはじめに、どのような規模の災害が発生した時に安否確認を行うか、どのように全戸に通知するかを決めなければなりません。
非常放送設備があれば、一斉放送で安否確認を行う事を知らせることができますがそうでない場合は、どんな時に安否確認を行うかを決めておかなければなりません。

安否確認シート掲出のタイミングも決めておく必要があります。
「室内にいる人の安否が確認できた時点」ということでは、人により安否確認シート掲出のタイミングがばらばらになり、なかなか正確な状況を把握できなくなります。
気が動転して安否確認シートを掲出することを忘れてしまう方もいると思いますので、更に把握が難しくなります。

安否確認シートが掲出されていない場合についても決めてく必要があります。
掲出のない玄関ドアをノックして反応がない場合、不在の場合もありますが、ショックで倒れていたり家具の下敷きで動けない等、本当は救助が必要な場合もあります。
また、玄関ドアが施錠されていて中から救助を求められた時、玄関ドアの鍵を壊すか、ベランダ等のガラスを割って救出するしかありません。
玄関ドアの鍵を壊すといっても素人が簡単にできるものではありませんから、具体的な救助方法を決めて、必要な工具等を準備しておく必要があります。

掲出された安否確認シートをいつ撤去するかも重要です。
安否確認シートを掲出したままにしておくということは、未掲出の部屋は「不在です」と言っているようなものですから、防犯上問題があります。

災害発生時の状況を想定して、どこまで踏み込んだ安否確認を実施するのかを十分話しあっておきましょう。

さらに、安否確認は、それ自体が目的ではありません。
安否確認し状況をを把握した後の行動もしっかり決めておく必要があるのです。
マンション管理組合、自治会等の役割分担も大切です。