マンション管理組合の運営
分譲マンションが日本に登場したのは、色々と調べてみるとどうやら1950年代半ば頃ではないかと思われます。 その後マンションは、1963~64年といわれる第一次マンションブーム、1968~69年の第二次マンションブーム、そして1972~73年の第三次マンションブーム等のいくつかの爆発的な増加の時期を経て現在に至るわけですから古いマンションでも築30年~40年程度ということになります。
その間、1962年に「建物の区分所有等に関する法律」俗に言う区分所有法が制定され、2001年には「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」が施行されマンション管理士資格ができるなど法整備も進んできました。 しかし、マンション管理そのものは、区分所有者から選出された何名かの理事が月に1回程度集まって議論し、年1回程度開催される総会で決議するという基本的なスタイルが多いようです。
マンションの築年数が古くなるほど区分所有者の年齢も高齢化してくる傾向にありますが、最近ではリノベーション等を行い若い世代が築年数の古いマンションの組合員となる場合も増えてきています。 勿論、最近の新築マンションでは30代~40代のといった若い世代が大半というマンションも珍しくありません。 そうした中で、土曜日や日曜日に開催されることの多い理事会は、理事になった方にとって大きな負担となります。 理事になれば理事会はもちろん理事会の為の資料作成や準備など多くの時間もとられますので、理事のなり手不足も頷けます。
さらに、理事以外の組合員の方々のマンション管理に対する関心や興味も低い場合が多く、総会の出席者も少なく委任状で結論が出ている場合も少なくありません。
つまり、法整備も重要なのですが、管理組合の運営方法についてもっと改善していく必要があるのです。
そこでまず大切なのは、管理組合員である区分所有者がマンション管理の重要性をしっかりと認識して理事でなくともマンションの管理に参加している意識を持つことです。
マンションの管理の良し悪しは、マンションの資産価値に影響することは説明するまでもありませんし、分譲マンションを購入している方でしたらそのことは十分理解していると思います。 まして、「資産価値を下げたい」とか「資産価値が下がっても関係ない」などと思っている方はほとんどいないはずです。
しかし、実際に「何をどうすれば」という具体的な話になると、多くの方が管理会社や理事会任せで、なんのアクションもとっていないというのが現状だと思います。
実際に理事になってみて、はじめてマンションの管理が重要で、且つ、非常に大変なことが理解できるというのが実際で、築年数が浅くほとんどの方が理事経験のない場合、マンション管理への関心は低い傾向があります。 反対に、築年数が古く多くの方が理事を経験しているマンションでは、マンション管理の重要性や理事の大変さなどを多くの方が理解しているので、比較的マンション管理に対する関心は高くなります。
しかし、築年数が古くなるとこれまで歴代の理事の方々が行ってきた運営方法を踏襲する傾向にあるため新しいことに対するハードルは高くなることが多くなりますし、高齢者と若い世代が入り混じった理事会では、考え方や意見の違いなども大きくなる傾向があります。まして、時間に余裕のある高齢者が仕切っている理事会では会議が必要以上に長くなったり、若い方の意見が通らないような雰囲気の理事会もあるようです。
こうした様々な状況が弊害となり、多くの方が改善の余地があると思っているマンション管理組合の運営スタイルが古くからそのままの方法で継続されているのです。
つまり、そうした状況にあるマンション管理組合の運営を見直し、時代に適した運営方法に改善していくことが大切で、そのためにインターネットの活用が重要です。
ビジネスではインターネットはなくてはならないものですし、多くの一般家庭にもパソコンが普及しインターネットを利用しています。携帯電話なしの生活は考えられない方も多くなっている時代です。
マンション管理組合の運営にインターネットを活用すれば、情報共有が円滑になり理事の方々の負担を軽減することにもなりますし、経費の節約や理事のなり手不足の解消にもつながってくると思います。
高齢者やパソコンや携帯を使わないという方に配慮することは重要ですが、そうしたことを踏まえインターネットを有効に活用していくことがこれからのマンション管理組合の運営における課題なのです。
次回につづく