理事のなり手不足の背景には
マンションの管理組合は理事を選出する必要がありますが、最近理事のなり手がいないことがひとつの問題になっています。マンションを運営していく上で欠かせない役割ですが、なかなか自分から理事になろうという人はいないようです。たいていは、輪番制やくじ引きで決められ、仕方なく理事を引き受ける例が多いようです。
マンションの理事は住民に奉仕する仕事であるにもかかわらず、住民から感謝やねぎらいの言葉をかけられることは殆どありません。それというのも、マンション内における理事の認知度はあまり高くなく、一般の住民はだれが理事かわからないのが現状です。これでは、たとえ理事の人にマンション内ですれ違っても、「ありがとう」という感謝の言葉や「ご苦労様です」といったねぎらいの言葉もかけられないのも無理はありません。また、理事の認知度が低いということは、理事の業務が住民に知られていないということにもなります。業務の内容を知らなければ、理事の仕事に関心を持つこともできず、無関心はさらになり手を不足させる、という悪循環に陥ります。
せめて、住民から感謝やねぎらいの言葉があれば、理事の仕事の「やりがい」にもなります。まずは、理事の業務の「情報公開」を進め、理事と一般居住者とのコミュニケーションを深めることが重要です。理事の仕事に対する認知度を高まれば、理事は仕事に「やりがい」を感じされ、結果的には理事のなり手不足の解消にもつながるのではないでしょうか。