マンション管理組合理事の輪番制

マンションの管理組合の理事を決める方法はいくつかあります。

輪番制
抽選
立候補や推薦制

この中で、輪番制が最も多くのマンション管理組合で採用されていると思います。
多くの方に理事を経験してもらうことで、マンション管理組合の運営を理解し関心を持ってもらえるということと、誰もが一度は理事をやらなければならないという公平感が採用理由のようです。

しかし、輪番制は利点ばかりではありません。
管理会社から見てみると、毎年理事が未経験者に入れ替わるということは、毎年素人を相手にすればいいわけですから管理会社としては好都合です。
理事経験がある一筋縄ではいかない手ごわい理事を相手にする必要がないわけで、たとえ、手ごわい理事がいたとしてもその年だけ何とか凌げば済むのです。

また、大規模修繕などの年に当たった理事の負担が多くなりますし、理事長ならびに理事のやる気、交渉力、判断力によって大規模修繕工事の内容や費用に差が出てくる可能性もあります。

また、どうしても管理会社の言いなりだったり、前理事のやり方を引き継ぐ形になり、マンション管理組合の運営が前例を重視するお役所的なものになりがちです。
特に任期満了が近くなると総会の準備が中心になり、新規の議案は来期にまわすような雰囲気になるのです。

たとえ能力のある方が理事長になったとしても、他の理事が素人でやる気がなければ劇的に変わることは難しいでしょう。

では、抽選や立候補など輪番制以外の方法がおすすめかというと必ずしもそうとはいえません。

理事のなり手不足は多くのマンションで深刻な問題になっていますし、特定の方が何年も連続して理事をやるのは、業者との癒着や積立金等の使い込みの可能性、理事以外の方のマンション管理に関する関心を低下など色々とネガティブな要素があります。

マンションの規模により理事の人数も異なりますので、一概には言えませんが、輪番制をベースに半数入替えを行うようにしたり、前期の理事長や副理事長を何らかの役職で残すなど、全員入替えにならないようにすべきだと思います。

尚、同じ人が何年も理事にならないように連続2年までに制限するなどの再任制限や理事の解任についての定めを作ることも重要です。

余談ですが、理事長や副理事長、会計担当等の理事を選任する際、個人の借金や生活状況などを調べているマンションは殆ど無いと思います。
理事が個人的に莫大な借金をしていて、返済に困っているような状況だとしたら、かなり危険だと思います。